「自分たちでできることで、生徒のためになることならばなんでもやります。」
と穏やかな口調で話すのは、泉大津市で40年続く『懸命院ゼミナール』の石原聖士先生。
南海本線松ノ浜駅を出て数分。
住宅地の一角にある邸宅で、懸命院ゼミナールの指導が行われている。
インターホンを押して玄関を開けると、「こんにちは!」と明るい先生方が出迎えてくれる。
生徒にとっていいと思うことはなんでもやる
これは懸命院ゼミナールの前身である“石原塾”創業時から変わらない、石原先生の信念だ。
かつて講師を務めていた大手塾では、成績が伸び悩むも塾の中では手を差し伸べられない生徒たちがいた。
そんな子たちをなんとかしたいと、土日の休みを使って勉強を教え始めた。
すると生徒たちから評判を呼び、やがて独立開業へと至った。
懸命院という塾名は、生徒のために一生懸命、がむしゃらに走る石原先生の姿を見て、お世話になっていた先輩が命名してくださったそう。
今でこそ、沢山の先生が働く懸命院ゼミナールだが、塾を開いた当初は問題作り、指導、送迎…全てを石原先生一人でやってきた。
大変ですけど面白かったですよ。送迎時間は私が塾に不在になるので、生徒が代わりに電話番をしてくれたり。
勉強に興味を持つきっかけになればと、地方のお寺で合宿をしたり、歴史ある土地に生徒を連れていったり。
お父さんお母さん方にも支えていただきました。
勉強が苦手、やる気が出ない。そういう気持ちを払拭するには、勉強の本質を知ることが大事だと石原先生は言う。
勉強が好きだという人はわずかだと思うんです。
それでも、例えば、運転免許を取る時には皆勉強をするでしょう。
必要性を感じた時には、皆勉強をしますよね。
学校での勉強も、本質は同じだ。
「この職業に就くためにはこの大学がいい、そのためにはこの高校へ行きたい、そのために中学生の今、内申点を含めてこれくらいの点数を取りたい」
という風に、将来の道筋を示してあげることで、今やるべきことが見えてくる。
同じ生徒は一人もいないでしょう。だから、色んな道を生徒に指導してあげないといけない。
我々は、子どもたちと将来の夢との橋渡しができたらいいという気持ちを持って、ある程度の道を勉強したり、知っておく必要があると思うんです。
ところで、老舗塾と聞くと、アナログなイメージを持たれる方もいるかもしれないが、懸命院ゼミナールの教室には、最新のIT機器も並んでいる。
「これは生徒のためになるな、と思ったら、なんでも取り入れるんです。こういう機器があったから、コロナ禍でも問題なく指導を続けることができました。」
対面授業ができなかった時期は、IT機器を使った授業を行った。
授業や宿題で使うプリントは、先生達の手で一軒一軒配達をして、授業進度が遅れないようにした。
時代や社会情勢の変化に憂うことなく、生徒のためになることを考え前向きに進んできた。
勉強ができるようになるには塾、生徒、家庭、皆の力が必要
勉強ができない状況は、病気をしている状況と同じだ
と石原先生は言う。
子どもが病気にかかったら、家族皆で必死に治そうと病院を訪れる。
診察をするだけで治るのではなく、医師からアドバイスされる食生活や、睡眠などの生活習慣も改善してようやく治る。
勉強も同じで、食事や睡眠などの生活習慣を見直し、脳に良い環境が整うことで良くなっていくということだ。
それには、家族の協力が欠かせない。
「ご家庭との関わり合いは、きっと他の塾より多いように思います。家庭での生活のことを聞いて、お父さんお母さん、時にはおじいちゃんおばあちゃんの考え方を聞いた上で、勉強にいい環境を一緒に作っていくことができたら、必ず結果は出ますよ。」
もちろん、家庭の協力を仰ぎ、行動に移してもらうことは容易ではない。
だからこそ、“こうすれば絶対に変わるのだ”という説得力とインパクトのある指導ができるかどうかが、塾の腕の見せ所だ。
「受験が終わった後、お陰様で合格しましたってご家族で挨拶に来てくれるんですけど、我々ではなくて本人が頑張ったんですよ。もっと言うと、ご家族の皆が頑張った結果なんですよ。」
勉強は一人でやるもの。
それでも関わる人が多いほど、応援者は増え結束力も高まり、結果が出た時の喜びも倍増する。
受け継がれる懸命院ゼミナールのイズム
懸命院ゼミナールには小学生から中学生まで、様々な学年・レベルの生徒が通う。
授業中は、石原先生をはじめ、若手の先生たちが指導にあたる。
かつて塾生だった現役大学生も授業を手伝っている。
皆、生徒と向き合う目線は、常に同じか少し下から。
自分に知識があるからと、見下ろした目線で対峙することはない。
「生徒の数ほど勉強のスタイルがありますから、その時々で、目の前の子がどうしたらわかりやすくなるんだろうと考える必要がある。そのためにも、まず相手のことを教えてもらう、そういう姿勢が大事ですよね。」
指導を続けて40年の間、時代は変わり続け教育を取り巻く環境も変わり続けている。
時にはコロナのようなパンデミックが起こることもある。
どんなに環境が変わっても、“生徒にとっていいと思うことはなんでもやる”の姿勢で、これからも「一生懸命」の指導を続ける。
文:跡部桜
石原先生の考える「いい塾」とは?
個人塾と大手塾とは違いますし、それぞれにいい所があります。
我々の担う責務とは何か、求められていることはどういうものなのかを認識して、必要とされることを続けていくことが大事かなと思います。
だからやっぱり、目の前にいる生徒のためになることは何かなと考える続けることが大切ですよね。何年続けても、時代と共に、環境と共に、柔軟に変化していく塾でありたいです
石原先生、貴重なお話を有難うございました。
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