ピグマリオン効果を知っていますか?
教育心理学に『ピグマリオン効果』という説があります。
アメリカの教育学者ローゼンタールがある実験をしました。
ある小学校で知能テストを行い、その中から無作為に数名の生徒を選んで、「この子たちは伸びる」と根拠のない情報を担任の教師に伝えて指導を始め、どのような結果が出るのかを実験・研究しました。
その情報を信じた教師がその子たちを大きな期待を込めて指導したところ、本当にぐんぐん成績が伸びるという結果がでました。
このように、期待することによって相手もその期待に応えるようになるという現象を『ピグマリオン効果』とよんでいます。
この効果が起こる理由として、ローゼンタールは、人間は常に相手の期待に対し敏感に反応するものだからと説明しています。
つまり、親や教師が期待すれば子どもは伸びるとしています。
徐々に発揮されなくなる『ピグマリオン効果』
しかし、現実には小学校に入ったばかりの子どもならいざしらず、中学生になろうかという子どもは親や教師が期待しても、本人が自分に対して期待しなくなり、この『ピグマリオン効果』が徐々に発揮されなくなってしまうことがあります。
それは、日々の生活の中で、不本意な結果に対し次なる期待を減らすことを繰り返してきているからです。
反対に、小学生から高校生まで学年を問わず、彼らに「どの教科が好きですか。」と質問すると、概ね「得点の高い教科が好き。」と答えます。
そして、好きだからよりいっそうその教科を頑張って勉強し、さらに良い結果を生みます。
これは、自分の中で『ピグマリオン効果』が起こっていることの表れでしょう。
最初の中間テストが、中学校生活のカギ!
ピグマリオン効果を得るために、子どもに対して期待する・褒めるタイミングは
小さくとも出来ることが増えた瞬間です。
褒められるとそれが成功体験となって、次なる期待へとつながっていきます。
それを繰り返すことが、大きな結果を生み出すと考えています。
つまり、大きな結果であるテストの成績や受験の結果は、日々の学習の中で出来ることが増えた結果の現れであるのです。
だから、特にあと数ヶ月で中学生になる小6生の皆さんに伝えておきたいことがあります。
中学に入って初めて受ける中間テストの結果が、中学生として勉強に対する期待を高めもすれば、落としもします。
つまり、最初の中間テストは、中学3年間を方向づける大きなテストです。
勉強が大切なものであると考えるならば、この大きなテストに対し、いくら準備をしても、し過ぎるということはないでしょう。
早くスタートすればするほど確実に出来るようになることがたくさんあり成功に近づくことができます。
監修:芳谷真宏(現役高校生進学指導専門塾『大志学園』学長)
大志学園では、教育とは、人間が成長する過程において、出来ることを一つ一つ増やすために施すものであると考えています。 日々の学習を大切に、出来ることを増やして、自分自身への期待にも応えていく。そのような良いサイクルを作れたら良いですね。