ビジネスの世界に「段取り八分(だんどりはちぶ)の仕事二分(しごとにぶ)」という言葉があります。
段取りとは「準備、計画、手順」のことで、「それがきちんとできていれば8割がたプロジェクトは成功したようなものであり、後は実際の仕事を粛々と実行して行けばよい」という意味です。
つまり、「事前の準備が物事の成功、不成功を大きく左右する」ということです。
幼児教育の世界でも、以下のような話があります。
子供を「のびのび育てる」ために、幼児期に一切、知的な働きかけをしないというのは間違いで、幼児期に子どもの学びたい気持ちに沿って上手に導き、文字や数字など基礎的なことを遊びの中で教えるべきである。本当に「のびのびしている子」というのは、就学前に身につけた基礎学力によって、学校の授業に楽についていくことができ、そこで生まれたゆとりを自分の興味や友達との関係に向けることができる子である。
つまり、教育における「ゆとり」とは準備の賜物(たまもの)であるということです。
小、中学生についても準備の大切さは同じです。
たとえば、テスト勉強。
テスト前日にいくらアタフタ慌てても、どうにもなりません。
もちろん直前まで諦めず、1つでも覚えようとすることはある意味大切ですが、事前に大した準備もせず、悪あがきをしたところで、成果は知れています。
テスト勉強における準備とは、直前の慌てた中での勉強の対極にあります。
つまり、日々の地道な勉強。日々の積み重ね。
これがテストに対する最大の準備なのです。
大志学園は高校生に対する大学受験指導から始まった塾です。
高校生を指導する中で、伸びる生徒と伸び悩む生徒の小中学生時代の過ごし方に大きな違いがあることに気づきました。
高校生、さらに大学生になっても伸びる生徒の共通点は単純です。小中学生時代に、毎日少しずつ勉強することが当たり前になっているのです。
要領よく、テスト前の集中的な学習が習慣となっている生徒は伸び悩む傾向が強いです。
つまり、毎日少しずつ出来るということは、今日は明日の準備、明日は明後日の準備ができるということなのでしょう。
長い夏休みが終わると、中3生以外は、ややもすると、試験などが目前にないので、勉強から気持ちが緩みがちになります。
何かにせっつかれていないこの9月にこそ、追われるのではなく、自分から攻め込むように毎日少しずつ頑張ることを習慣づけましょう。その習慣こそが勉強における、準備なのです。
これが出来るようになった生徒は必ず伸びています。
監修:芳谷真宏(現役高校生進学指導専門塾『大志学園』学長)